【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
訪れる新たな試練
side秋一
そしてその後、会長から連絡があり、無事にスキャンダルの記事は揉み消したと言われた。本当に申し訳ない……。
次に何か大きな問題を起こせば、俺は社長を解任されてしまう。
それだけでなく、本当に美優紀にも離婚をされてしまう。
あれだけ念を押されたんだ。次に何か起きたら、もう次こそ離婚届を突きつけられるのは、目に見えている。
……気をつけないと。
あのスキャンダルの一件から、美優紀はさらに俺に厳しくなり、どこかへ出かける時もこまめに連絡。
帰宅の予定時間、食事の時間など、細かくチェックされるようになってしまった。
「……はぁ」
なんでこんなことに……。
連絡がない場合、すぐに電話がかかってくる。
「社長、失礼致します。この後は新店舗での打ち合わせが入っております。後10分後にこちらを出ますので、準備をお願い致します」
「ああ、分かった。すぐに準備する。車を表に回しておいてくれるか??」
「かしこまりました」
美優紀は一礼して、社長室を出ていった。
最近は仕事が増えてしまい、なかなかハードな生活を送っている。
家では夫婦としての時間を過ごし、会社では社長と秘書という時間を過ごしている。
だけど、あの一件以来、美優紀とは少しだけ距離が離れてしまったような気がした。
俺を避けているわけではないけど、なんだか俺を信用していないような、そんな気がする。
まだ離婚ということにはなっていないが、いつ言い渡されるのか……。