【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「んー。ここのビーフストロガノフは、うまい。いつ食べても最高だ」
「……おいしいです。このビーフストロガノフ」
「だろ??俺もこの店のビーフストロガノフ以外は食べられないんだ」
「お肉にしっかりと旨味があって、それなのに柔らかさがあり、コクもあって。……こんなにおいしい、ビーフストロガノフは初めてです」
「美優紀、お前の感想は主婦の感想だな」
そう言われてつい「えっ、そうでしょうか??それは失礼しました。感動してしまって……」と言った。
もうやだ、わたしったら……!
「……いや、そんなに喜んでもらえると想ってなかったから、俺も嬉しいよ。連れて来てよかったよ」
「はい。ありがとうございます」
「……それで、話って??」
「あっ、はい……」
食べることに夢中になってしまい、話すのを忘れていた。……話さないと、社長に。
「……話ってなんだ??」
「あの……。実は……」
「……美優紀??」
「実は会長から、わたしにこんな話がありまして……」
「会長から??」
「……はい。驚かないで、聞いてください」
そんなわたしを、社長は黙って見つめていた。