【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「……会長から、わたしと秋一さんとの間に、子供を作りなさいと言われました」
「え……。子供??」
そう言ったわたしを不思議そうに、そして驚いた様子で秋一さんはわたしを見ていた。
「はい。……この前のスキャンダルの一件は、会長が丸く納めてくださいました」
「………」
「その代償というわけではないのですが……。わたしたち夫婦の間に子供を作って、後継者を残してほしいと、そうお願いされました」
黙り込む社長は、少しだけ俯いていた。
そんな顔をする社長にわたしは、少しだけ罪悪感を感じた。
「……そうだったのか。だからお前、最近元気がなかったのか??」
「申し訳ありません。……もう少し早めにお伝えしようかと思ったのですが、なかなか踏み切れず……」
「いや、話してくれてありがとう。 言いにくい話だっただろうに」
「……いえ」
「子供か。 たしかに俺達は結婚したし、子供を作ることも可能だが……」
社長は黙り込み、そして少し考えてからまた言葉を発した。
「……わたしもずっと、考えていました。会長からのお願いですし、それに背くようなことをするのも、どうかと思いましたし……」
「……まぁ、そうだな」
そしてこれは、わたしたち夫婦の問題でもあるから……。