【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
side秋一
「……確かに、社長も年齢としては子供がいてもおかしくない年齢ですし、もし社長が子供を望みたいと思うのであれば、それは致し方のないことだと思います」
美優紀の問いかけに、俺はなにも言うことができなかった。 子供か……。
確かにいつか、自分たちの子供をほしいと思っている。
今までだって、何回もいろいろな女と体を重ねてきたけど、必ず毎回避妊はしていたし、子供を作るつもりはなかった。
ましてや、ほしいと望んだことさえ、なかったけど。
「……わたしも、いつかは自分の子供がほしいと、思っていましたし。好きな人の子供を生みたいと、今でもそう思っています」
美優紀はそう言うと、俺の目をじっと見つめた。
「……美優紀」
「もちろん、子供を望んでいるのはわたしたちだけでなく、会長も同じです。 いずれ後継者になる孫の顔を見たいと思うのは、当然のことだと思います」
「……まぁ、そうだよな」
子供……か。
「ーーー会長が子供を欲しがる一番の理由は、今後のためです」
「え??」
「子供を作り、子育てをしながら父になることで、会長の気持ちをわかる時がくると。……会長はそう仰っていました」
「……親父の、気持ち??」
「はい。今まで社長が会長の背中を見てきたのと同じように、子供にも同じように背中を見て育てれば、俺の気持ちが分かると。そう仰っていました」
会長が、美優紀にそんなことを言っていたなんて、思いもしなかった。