【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
秘書としてではなく、妻として、一人の女として、俺は美優紀を愛している。
美優紀も、俺を愛していると、確実にそう言った。
あの日の夜、美優紀が俺に言おうとしたコトは、きっと。
ーーー愛している。そう言いたかったのかも、しれない。
俺が逃げるように部屋を出てしまったため、その言葉は聞けないままだったけど。
今日、ちゃんと聞けた。美優紀の俺への、本当の気持ちを。
純粋に、嬉しかった。同じ気持ちだと知って、ようやく想いが同じだと、思うことができた。
俺は美優紀の頭を撫でながら、寝顔をすこし見つめて、静かにベッドから抜け出し、シャワーを浴びた。
さっきの体温を、忘れたくないけど……。なんだか、名残り惜しかった。
そしてまたパジャマに着替えると、ベッドへ潜り、美優紀のコトを抱き締めて、また深く眠りについた。
ーーーーーー…
「……っ、ん……」
朝目覚めると、ベッドの中にいたハズの美優紀の姿はもうなかった。
「……美優紀??」
キッチンに行くと、美優紀が朝ごはんの支度をしていた。
味噌汁の、いいニオイが立ち込める。
「あ、社長……いえ、秋一さん、おはようございます。 間もなく朝ごはんが出来ますので、顔を洗ってきてください」
美優紀が俺の方に振り返りながらそう言った。
その姿に、ドキッとしてしまう。
「……ああ」
俺は洗面所へと向かい、顔を洗った。
顔を洗い終わると、朝ごはんが並べられていた。