【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
俺達の結婚は、秘密の結婚であって、堂々としているものではない。
なので結婚式のことは、まだずっと先だと思っていた。
「……ですが、会長。わたしたちの結婚は、ヒミツということでは……」
「なにも大勢でやる必要はない。親族や身内だけでやればいい」
「そんな、急に言われても困ります会長。俺も仕事で忙しくて、そんな時間がありません。 間もなく新事業も始まりますし……」
「なにも今すぐに、ということではないが……。せっかく結婚したんだ。美優紀さんにウエディングドレスを着させてやりたいんだ、わたしが」
「か、会長……」
会長の気持ち、それはとても嬉しく思う。
それはそうだ。なにせ、花嫁のドレス姿を見るのは、やっぱり憧れる。
「……では、式の日取りやドレス選びは、こちらでやっても構いませんか??」
「ああ。構わない。場所も好きな所を選びなさい。ハワイでもシンガポールでもどこでも、わたしが手配しよう」
「ありがとうございます」
結婚式なんて、全然考えていなかったけど、たしかに美優紀のドレス姿は見たい。
ーーーきっと、世界一キレイな花嫁になるに決まってる。
「決まったらわたしにすぐ報告しなさい。予約を入れてあげよう」
「はい。ありがとうございます」
「……それからもう一つ。 君たち、子供を作りなさい」
「はい??」
え、子供……??
「子供だよ。せっかく素敵な嫁さんと結婚したんだ。将来の跡取りくらい、ちゃんと残しなさい。お前もいい歳だ。子供の一人でも、作っておきなさい。……将来のためにもな」