【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「……美優紀??」
「……すみません。仕事が残ってるので、わたしはこれで失礼します」
わたしはお茶を片付けてそのまま部屋を出た。
……これから、どんな顔をして社長の顔を見ればいいのか、分からなくなってしまった。
社長の子供をほしいと、わたしはそう思っていた。……あの日から、真剣にそう思っていたのに。
だけどそれを望んでいたのは、わたしだけだったんだ……。それを聞いて、わたしはかなりショックを受けた。
結婚して子供を作り、幸せな家庭を築きたいと、いつかできたらいいなと思っていた。
ーーーだけどそんなのは、わたしの勝手な妄想だったんだなと、感じてしまった。
社長はわたしを愛していると、そう言ってくれたのに。
その言葉を、わたしは信じている。わたしだって、社長のことを愛しているから。
「……結婚しない方が、よかったのかな」
なんて、今更思っていてもしょうがない。
ーーーやはり、これからのふたりの未来のことをきちんと話し合ったほうが、いいのかもしれない。
社長のためにも、わたしのためにも。これから夫婦としてどうあるべきなのか、しっかりと話し合って決めないと。
じゃないと、きっとこれから、うまくいかないと思う。形だけの夫婦ではなく、ちゃんと中身を持った夫婦になりたい。
これからの生活のこと、結婚式のこと。……そして、子供のコト。
ちゃんと話して決めないと、分かり合えない気がする。