【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「……美優紀??」
秋一さんは、不安そうなわたしに気付いて、わたしの手をぎゅっと握ってくれた。
「……わたしはあなたとの子供がほしいです。……あなたの子を、生みたいです」
わたしは勇気を振り絞って、秋一さんにそう言った。
「……美優紀、ごめん」
秋一さんは、突然、謝ってきた。
あたしの手を優しく握って、そう言ったんだ。
「……それは、なんのごめん、なんでしょうか」
「妻である美優紀に、こんなことを言わせてしまって、済まない。……俺は旦那失格だな」
「え??」
でも返ってきた答えは、意外なもので……。びっくりしてしまった。
「美優紀のこと、わかっているつもりだったけど……。そうじゃなかったんだな、俺は」
「……秋一、さん??」
「ごめんな、美優紀。俺は旦那として、ちゃんとしてなかったな。……本当に済まない」
秋一さんは、わたしに謝ってきた。
「……いえ。こうやって向き合ってくださるだけで、嬉しいです。……こうやってお互いの気持ちをぶつけ合いながら、本当の゙夫婦゙になっていきましょう??」
「……ああ」
わたしは秋一さんときちんと向き合い話し合うことで、また一つ、夫婦としての距離を縮めていけてるような気がした。
ーーー話し合うことって、本当に大事だと思った。
本当の夫婦になっていくために、必要な努力だと思ってる。夫婦として、パートナーとして、もっと相手を思いやる気持ちを持たないと。
秋一さんと話してみて、今日はそんな気持ちにさせられた。