【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】

side美優紀

「……はぁ」

なぜだか分からないけど、体調が優れない。
なんかこう、少し倦怠感みたいなものがある。

あまりムリをすると良くないから、今日は途中で帰ったのだけれど、寝てもあまり良くならない。……最近、仕事が急に増えて忙しくなったからかしら。

とはいえ、体調不良になり早退してしまうなど、秘書としては失格の行為だ。
社長のスケジュールの管理や、打ち合わせの予約など、秘書のやる仕事はたくさんあるのだ。

休んでいるヒマなどない。　社長には、本当に申し訳ないことをしてしまった。

社長はわたしを見て、とても心配そうな顔をしていたけど、そんな顔をさせてしまっているのも申し訳ない。
社長の秘書として、秋一さんの妻として、きちんと仕事をこなさなければ。

「そろそろ、夕飯作らないと……」

そう思いベッドから、立ち上がった瞬間、フラッしてしまい、すこし目眩みたいなモノがあった。

ーーーやだ、わたしったら。フラフラになっている場合じゃないわ。
社長がもうすぐ帰ってくるのよ。妻として、笑顔で出迎えてあげないと。

そう思い、キッチンへ立って夕飯を作り始める。　だけど気力がなく、あまり食欲が沸かない。
そして変な感じがする。　なんだろう、この感じ。今まででこんなに体調が悪いのは、初めてだ。

「……はぁ」

だめだわ……。なぜか分からないけど、なにもできない。

そしてそう思っていたその時ーーー。
玄関のドアが開き、社長のただいまという声が聞こえた。