【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】

side秋一




「美優紀、ただいま」

家に帰ると、美優紀はキッチンに立って料理をしていた。

「秋一さん、おかえりなさい」

「美優紀、体調は大丈夫なのか??あまりムリしなくてもいい」

「はい。でも大丈夫です。今は調子がいいので」

美優紀はニコニコ笑いながらそう言った。

「そうか??まぁムリするなよ」

「はい。ありがとうございます。 ご飯、もうすぐで……」

そう言いかけて、美優紀は突然口を抑えてトイレへと駆け込んだ。

え……!? 

「美優紀??どうした?? 大丈夫か??」

「うぅっ……だ、大丈夫です……。少し気持ち悪いだけですから」

美優紀は少ししてトイレから出てきた。
そしてまた何事もなかったかのように、夕食を作り始めた。

美優紀の様子が、明らかにおかしいことは俺にもわかった。
元気そうに振る舞っているが、かなり体調が悪いみたいだ。

ーーーもしかして、なにか病気なのか??
もし病気だとしたら、治るのか??

いろんな不安が俺を襲った。急に不安になり、思わず美優紀を抱きしめた。

「え……??しゅ、秋一さん……??」

「ごめんな。気がついてやれなくて」

「えっ??なにを言って……」

「ーーー病気、なのか??」

「はい??……秋一さん、なにを言ってるんですか??」

「……美優紀、そんなに具合が悪いなら、なぜオレに言ってくれなかったんだ?? そんなに俺が信じられないのか??」

「あ、あの……。秋一さん、なにか勘違い……されてます」
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