【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
会長に言われたからじゃない。
俺たちが、本心でちゃんとそれを望んでいたからだ。
美優紀はきっと、この先体調が不安定になったり、つわりに悩まされたりすると思う。
だけどそんな時、俺がこの子の父親として、美優紀の旦那として、一生懸命そばで支えていきたいと、そう思っている。
元気な赤ちゃんを産んでもらうために、俺ができることを、精一杯協力していきたいと思う。
美優紀になるべく負担をかけないように、俺も手伝わないとな。
「……美優紀、ありがとう」
「わたしこそ、ありがとう秋一さん。……わたし、元気な赤ちゃんを産めるように、一生懸命がんばります」
「くれぐれもムリはするなよ。俺にできることがあったら、すぐに言えよ??」
ムリをしたら大変だ。赤ちゃんを産むためには、これからもっと大変になる訳だしな。
美優紀との間に産まれてくる子供は、男か女か。 それはまだわからないけど、今からとても楽しみだ。
「……秋一さん、あの」
「なんだ??」
「……その、お仕事の方なんですが……」
「なに言ってる。美優紀は今身体が一番大変な時期なんだ。……仕事は安定期に入るまで休むといい。その間の、代わりの秘書はこちらで手配する」
「……ですが」
「大丈夫だ。お前は、自分と産まれてくる赤ちゃんのことだけを考えていればいいんだ。 他のことはなにも考えなくていい」
美優紀にはムリをさせたくない。だから、しばらく仕事を休んでもらいたかった。
「……はい。ありがとうございます」
美優紀は、優しく微笑んだ。そんな美優紀に、俺はそっとキスをした。
美優紀のことを愛しているからこそ、幸せにしてやりたいという気持ちがある。