【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
そんなこんなで、秋一さんに協力していただきながら、生活を送っていた最中。
突然、秋一さんからこんな提案があった。
「……美優紀、話がある。座ってくれくれないか?」
「はい」
秋一さんの隣に座り、コーヒーの入ったマグカップをテーブルに置く。
「ありがとう」
「……あの、お話とは??」
「美優紀、安定期に入ったら、会長にも妊娠のことを話そう。……会長も、俺たちの子供を望んでいるんだ。きちんと、話した方がいい」
確かにそうだ。最初に子供を作りなさいと言ったのは、会長自身だ。
孫の誕生を心待ちにしているに違いない。
子供が出来たら、報告しなさいと言われた訳だし、やっぱり報告しないと……。
「……はい。そうですね」
会長も、喜んでくれるかしら……??
「……正直、俺との間に子供が出来たと知った時は、すごく驚いた。まだ子供を作るには早かったかもとか、色々と考えた」
秋一さんが、ゆっくりと話し始めた。わたしは隣で、その話を聞いていた。
「……はい」
「あんなにつわりに耐え、体調が悪そうにしている美優紀を見てると、とても申し訳ないと思う。……だけど、美優紀が産みたいというその想いを、俺はしっかり受け止めたいと思っているよ。お腹の子のために、今出来ることを俺も精一杯やっていきたいと思っている」
「……秋一さん」
秋一さんは、わたしの手を握りしめたまま、優しく微笑んでいた。
わたしもその言葉が嬉しくて、つい笑ってしまう。 そして微笑みを浮かべていた、その時……。