【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「美優紀、今日お昼はなにか食べて帰ろうか」
「はい」
外でご飯を食べるなんて、久しぶりだ。
つわりがひどくて、外へもまともに出られなかったから、とても気分が上がってしまう。
「なにか食べたいモノあるか??」
「そうですね。うーん……」
そう言われると悩む。
「じゃあ美優紀さえ良ければだけど、俺の行きつけの蕎麦屋があるんだが、そこへ行かないか??」
「えっ⁉お蕎麦ですか?? 秋一さんが、お蕎麦??」
「なんだ。意外か??」
「はい、ちょっと。……社長でも、お蕎麦って食べるものなんですね」
お蕎麦と聞いてしまい、とてもびっくりした。お蕎麦が好きなんて、初めて知った。
なんていうか……新たな一面、とでも、言うのかしら??
「そこの蕎麦屋は、会長の友人がやっていてね。俺も小さい頃、よく行ってたんだ」
「そうだったんですね。初めて知りました」
「そうだっけ??言ったことなかったか」
「はい。初めて知りました」
「そっか。 じゃあ蕎麦でいいか??」
「はい。ぜひ、連れて行ってください」
「ああ。……君のことも、紹介しないとな」
そんな会話をしているうちに、ショッピングモールへと着いた。
秋一さんが、手を引いて車から降ろしてくれる。
「ありがとうございます、秋一さん」
「よし、行こうか」
秋一さんが手を繋いでくれて、歩幅を合わせながら歩いてくれる。
そんな秋一さんの優しさに、微笑みが出てしまう。