【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】


ったく、なんだよ……。結婚しようって言っただけじゃないか。
なのにあんなに避けるなんて、絶対変だ。
俺がかわいそうじゃないか。

そんなことを思いながら、駐車場で車に乗り込む。
そしてふと美優紀に視線を向ける。


「……なんでしょうか、社長」

「いや、べつに」

「そうですか??」

「あっ、ああ」

慌てて窓の方を向く。
窓から見ると、美優紀は時計を見ながらスケジュールを確認していた。

「……藤枝」

「今度はなんですか??社長」

俺は美優紀にこう問いかけた。

「お前はほんとに、俺と結婚する気はないのか??」

「ないです。 わたしが社長と結婚なんて、ありえませんので」

「俺がこんなにも結婚したい、って言ってるのにか??」

俺にしては、すごくアプローチしてるのにな。

「ええ、社長の結婚相手になんかなれるわけありませんから。 先ほども言ったとおり、わたしは社長にはふさわしくありませんので」

「なんでだよ??お前ほど優秀な人間はいない。それに、お前ほど頭のいい秘書はいない」

「ですから、わたしは社長の秘書です。仕事上以外の関係にはなれません」

「なんでだよ。いいじゃないか。結婚しよう」
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