【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
美優紀の少しふっくらしたお腹に手を当てて、話しかけてみる。
「素敵なパパでよかったね」
お腹に手を当てながら、美優紀がニコニコとそう言った。
その顔は、本当にもうママの顔になっていた。
「なんか、ちょっと悔しいな」
「なにがですか??」
「美優紀は俺だけのモノだと思っていたのに、子供が産まれたら子供の方に愛情がいってしまうと、よく言うからな。そこが心配だ」
「なに言ってるんですか??それは秋一さんだって同じですよ??わたしのことよりも、この子を可愛がる気が今からしています」
「そんなことはない。ちゃんと二人とも俺が愛するさ」
「はい。よろしくお願いします」
ーーーこんな未来図を、誰が想像しただろうか。
まさかこの俺が、結婚して子供が出来るなんて、あの頃は想像もしていなかった。
結婚して子供が出来て、幸せとはこういうことを言うんだな。 家族みんなで、幸せな時間を過ごす。
二人で子育てしていきながら、少しずつ親になっていく。 親父の背中を見て育ってきた俺が、親になる日が来るなんて、思っていなかった。
それはもう、本当にこの世の゙キセギとしか言いようがない。
美優紀と出会い、結婚して、親になる。
これはもう、キセキの塊だ。いつまでも、大切にしていこう。
ーーーこの゙キセギを。
産まれてくるこの子のために、俺たちは今からとびっきり明るい家庭にしようと、そう決めた。