【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
新しい命の誕生
side美優紀
あれからあっという間に時が過ぎ、妊娠九ヶ月を迎えた。
あと一ヶ月ほどで、臨月を迎える。
お腹が大きくなる度に、お腹の中にいる、赤ちゃんの鼓動を感じる。
ふとした時に動くのが分かると、とても嬉しい。
生きているんだと感じるから。 秋一さんも、お腹に手を当てて、よく赤ちゃんに話しかけてくれる。
「お前、もうすぐ産まれるのか。楽しみか??」
「早く産まれてこいよ。パパとママは、お前が産まれてくるの楽しみにしてるぞ」
などと、嬉しそうに話しかけている姿を見ると、一瞬でも社長だというコトを忘れてしまう。
会長が言っていたけど、秋一さんはきっと親バカになるに違いないと。
毎日その姿を見て、少なくともわたしもそう思っている。
秋一さんはきっと、親バカになる。
なによりも、子供の誕生を誰よりも待ちわびているのは、秋一さん自身だからだ。 秋一さんにとって、初めて出来る子供だ。
嬉しくないわけがない。 子供はわたしも嬉しいし、心から誕生を待ちわびている。
「美優紀、大丈夫か??」
「はい。体が重いですが、大丈夫です」
臨月が近くなってきたため、お腹がかなり大きくなり、歩くのも一苦労だ。
出産までの道のりは、長くて険しい。
一歩間違えれば流産の危険性もあり、とても不安と緊張しかない。
検診に行って異常がないと分かると、いつもホッとする。なにもないのが一番だから。