【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「やはり、立ち上がるのもキツそうだな」
「はい。お腹が邪魔をして、うまく立てません……」
立ち上がったり座ったりするのも、なかなか大変だ。 今までと違うから、とても苦労する。
今まで普通に立ち上がれてたものが、立てないのだ。とても大変で、とても苦労する。
秋一さんがいつも手伝ってくれて、立ち上がらせてくれたり、座らせてくれたりする。
本当に、ありがたい。
秋一さんがいないと、今のわたしはなにもできない妊婦なのだ。
電車などに乗ると、お腹の大きな妊婦だから、学生さんや、心の優しい方に優先席を譲ってもらえるけど。
ただ、妊婦はとても大変なのだ。マタニティの服もゆったり着れるけど、それ以上に動きが鈍くなるのだ。
今までのスピードで歩けないし、今まで履いていたヒールも履けないし、色々と気をつけないといけないことが多いので、とても気を遣う。
しかも秋一さんは、過保護なとこがあるから、一人では外出させてくれないのだ。 なにかあったら大変だからと。
ありがたいけれど、なんだか少し窮屈だ。イヤなことに、早く開放されたいと、時々思ってしまう。
仕方ないけど、この妊婦生活もあと少し。耐え抜いていかないと。
親は出産して終わりじゃない。産まれた瞬間から、子育てが始まるのだ。
ゴールではなくスタートなのだ。 だからもう少しだけ頑張りたい。
この子のために、万全の準備で出産できるように今から準備が必要だ。