【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「父は仕事に誇りを持っている方ですから。僕はそんな父の背中を見て育ったので、父に似てしまったのかもしれませんね。お恥ずかしながら」
「いやいや。仕事に誇りを持てるというのは、とても素晴らしいことです。西園寺くんこそ、我々企業の誇りです」
「そんな。僕はまだまだ未熟ですから。……父には敵いませんよ」
「でも君なら、すぐに親父さんを越えてしまうかもしれないな。なんせ自分の力で社長になられたのですからね」
「……父を越えたいのが本音です。しかし僕はまだ、父を越えられそうにありません」
「どうしてだい??」
「父は僕にはとても厳しい方ですから。僕がいくら頑張っても、父は褒めてはくれません。むしろ改善点ばかりを言われ、いい所は全然言ってはくれませんから」
「そうか……。でも君の親父さんは、君のことをよく見ているんだな」
「え??」
「頑張った所を褒めるのではなく、あえて悪い所を指摘することで、今後の経営方針に役立てようとしているんだよ」
「……そうなのでしょうか」
「そうですよ。君 の親父さんは決して、君のことを認めてないわけではないんだよ」