【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「ちょっと、秋ー……!!待ってよ、ねぇ!!」
部屋から出ようとする俺の腕を、女が掴む。
「離せよ。俺に触るな」
「ねぇどうして?? どうして結婚なんかしたの??」
「俺が結婚したいと思ったからだ」
「そんな……」
「だから俺とお前はもう無関係だ。2度と会うことはない。……じゃあな」
「秋ー……!!」
「それから、もう2度と俺に付きまとうな」
俺はそう言い残すと、そのまま部屋を出た。
そして車に乗り込んでから考える。
「……美優紀」
俺にはもう美優紀だけなんだな。だって俺はもう、美優紀と結婚したから。
きっと今頃、美優紀は市役所に婚姻届を提出したはずだ。だから美優紀は今日から俺の妻であり、俺を支えてくれる唯一の存在になった。
だから俺はもう、美優紀にはこれ以上迷惑はかけられない。ちょっとでも俺が問題を起こしたら、待っているのは"離婚"だ。
離婚しないためにも、問題や騒動は起こせない。これからは本当に、今以上に慎重にならなきゃならない。
もうこんな幼稚なことはやめよう。
そんなことをしても、美優紀を傷付けてしまうだけだと思うから。