【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
姉と仕事と問題

side美優紀



「社長、起きてください。朝ですよ」

いつになっても起きない社長に、呆れたわたしは社長を起こしにかかる。
しかし社長は、一向に起きる気配はない。

「社長、起きてください。仕事に遅れますよ」

「ん……。み……ゆき」

「わたしはここにいますから、いい加減に起きてください社長。遅刻しますよ」

とりあえず社長の体を思いっきり揺さぶる。

「ん……んー??」

「ようやく起きましたか、社長??」

「……美優紀??」

「はい、わたしです。ようやく目を覚ましましたね」

「えっ……なんで美優紀がここにいる??」

「はい??なにを寝ぼけたことを言ってるんですか。いいから早く起きてください」

「待って……これは夢か?? だってここ、俺の家……」

「なにをおっしゃっているんですか??社長。社長はわたしと結婚したんですよ??」

「え??……結婚??」

「そうです。わたしと社長は結婚したんですよ。だから一緒に住んでるんですよ??」

「……夢じゃ、なかったのか」

「なにを言ってるんですか??夢ではありません。これが現在進行形の現実です。さ、目が覚めたなら起きてください。朝ごはんが冷めてしまいます」

「……ああ」
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