【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】


「……えー」

「文句があるならどうぞ。その代わり、夕飯はなしですからね」

「わかった。 これからは毎日食べるよ」

「はい。ではわたしも、愛情をこめて作りますね」

「……ああ」

社長は起きたばかりだと、頭が冴えないのね。
全然頭が回ってないわ。

「ごちそうさま」

「はい」

朝ごはんを食べ終えた社長は、そのまま仕事の準備へと取りかかる。

「社長、準備はできましたか??」

「ああ、一応な」

「では行きましょうか。表に車を回してありますので」

「ああ」

「……社長、ネクタイが曲がっていますよ??」

社長のネクタイをまっすぐに直す。

「ああ、ありがとう」

「いえ。では行きましょうか」

「ああ」

家を出て車に乗り込む、社長とわたし。
車の中では必要以上の会話はしない。

「藤枝、この後の予定は??」

「はい……。そうですね、今日はこの後に新しい店舗の打ち合わせがあります」

「そうか。わかった」

こうやって必要最低限の会話をすると、社長と結婚したという実感はあまりない。
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