【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
コピーした資料を社長に手渡す。
社長をそれを見て、眉間にシワを寄せた。
「やっぱりな。 コイツはもともと向こうの会社で社員として働いてたヤツだ。だが自分が不正な横領をしたことが会社の社長にバレて、会社をクビになったんだ」
「……そうだったんですか」
「だが今の会社に入って出世したことを期に、向こうの会社が俺の会社と契約をすると聞いた。それで不正や横領の話題を、今ごろになって出してきたんだろうな」
「それってつまり、邪魔をしたってことですか??」
「まぁそうなるな。そもそも不正や横領を働いてたのは、アイツ自身だったわけだしな」
「……それってまさか」
「ああ。その話題を会社の社長の責任に押し付けて、自分の過去を帳消しにしようとしたに違いない」
「……そんな。それをなかったことにしようとしたって、ことですか??」
「ああ。だがもしかしたらそれは、自分をクビにした社長に対する"恨み"なのかもしれないな」
「……恨み」
「ああ。一時期俺は、アイツがいる会社も候補に入れていた。だが結局、契約はしなかった。それで向こうの会社を選んだことで、アイツの気に触ったのかもな」
「……もしそうだとしても、社長はなにも悪くありません」