【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「……みたいだな。企業の間で話題になってる」
「理由はたった一つ。向こうの会社が横領や不正な不渡りを出していたことが、公になったからだ」
「……みたいだな。災難だったよな、お前も。契約できそうな時にそうなって」
「ああ。……このままだと、マスコミに嗅ぎ付けられるのも時間の問題だ」
「そうだな。俺たちの間では、お前らが契約に失敗するかもって大騒ぎになってるぞ」
「……やっぱりな。企業は出回るのが早いからな」
「ああ。これからどうするんだ??お前」
「まだわからない。とりあえずなんとかしないと」
「……なんとかって、どうする気なんだよ」
「わからない。これから考える」
「……でもまさか、横領があったなんてな」
「ああ、全くだ。今は考えるので精一杯でその事実が本当なのかすら分からないしな」
「ほんとなんじゃねぇのか??情報が漏れたんだし」
「……なぁ和義」
「ん??」
「なんで今頃になって、横領なんて話が出てきたと思う??」
「……さあ」
和義はウィスキーを飲みながらそう呟く。
「これはあくまで俺の予想だが、横領や不渡りは、実はもっと前からあったと思ってる」