【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「……もっと前??」
和義のウィスキーを飲む手が止まる。
そして視線が俺に向く。
「ああ。横領や不正な不渡りは、実はもっと前から発覚していた。だがそれは、会社の人間。つまり第三者によるものだとしたら??」
「……なにが言いたいんだ、お前」
「その第三者の人間は、自分が不正な不渡りや横領をしていたことが会社の社長にバレた。……そして会社をクビになった、ってことだ」
「っ……!?」
和義が目を見開いて、俺に視線を向ける。
「そしてその第三者であるヤツは、別の会社で優秀な社員として働いている。もちろん、俺とも交流のある人間」
「……っ」
「もちろんこれは俺の憶測にしか過ぎないから、事実とは限らないかもしれないが」
「……それより、その事件が今回のこととどういう関係があるっていうんだ??」
「もちろん憶測にしか過ぎないが、個人的な"恨み"だな」
「……恨み??」
「ああ。その時の第三者が社長に恨みを持っていたとしたら、今回の事件について、だいぶ辻褄が合うしな」
「……そうかな」
「きっとそうだ。まぁあくまでも、俺の憶測だがな」
「……もしその憶測が本当だったら、どうするんだ??」