【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】


わたしは危険を感じ、とっさに後退りをする。

「きゃっ……」

残念ながら、後退りをすることもできなくなった。
壁に追いやられたから。

「しゃ、社長??どう、なされたんですか??」

「ねぇ美優紀」

「はっ、はい??」

ちっ近い……。
近いですよ、社長!!

「ずっと前から言おうと思ってたんだけどさ」

「なっ、なんでしょう??」

「なんで俺のこと"秋ー"って呼んでくれないの??」

「……はい??」

「だって俺たち、もう結婚してるんだよ??一緒に暮らしてるのに、家でもずっと俺のこと社長って呼ぶからさ??」

「そっそんなの、社長が社長だからに決まってるからじゃないですか……」

そんなの当たり前のことよ……。

「なんで??俺が社長だからって、家でも社長って呼ぶのはどう考えても変だと思わない??」

「おっ思いません。それにわたしは、社長の秘書ですから。だからわたしは、社長とお呼びするだけです」

「でも俺が社長なのは、仕事の時だけでしょ??家の中では社長じゃなくて、美優紀の"旦那"でしょ??」

「それは確かに、そうかもしれませんが……」

「でしょ??だから家では社長はやめようよ。なんか堅苦しいし」

そ、そう言われても……。

「ですが……社長は社長ですし」
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