【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「だから家では社長じゃなくて、旦那でしょ??美優紀だって家では妻なわけだし」
「そっ、そうですね……。今の時点でわたしは社長の妻です」
「でしょ??だったら俺も同じ。今の時点で俺は、社長じゃなくて旦那だから」
「……は、はい」
「わかった?? だからこれからは、家の中では俺のこと"秋ー"って呼んで??」
と社長は、わたしにそう言ったのだった。
「て、ですが……すぐに呼んでと言われてもムリですよ、社長。そんないきなりだなんて、恥ずかしくて呼べません……」
今まで考えたこともなかったな。
社長のことを名前で呼ぶ、なんてこと。
「じゃあ今言ってみて??」
「えっ、ええっ……今ですか??」
「うん、今。早く"秋ー"って呼んで??」
「ダメですよ、社長……。そんなのムリです」
「なんで??ただ名前呼ぶだけなんだから、簡単でしょ??」
「そっそんなこと言われても……名前で呼んだことがありませんので。とてもじゃありませんが、わたしには難しいです」
「大丈夫。ほら、早く呼んで??」
「しゃ……社長。近いです」
「社長じゃなくて、秋ーでしょ??」
「しっ……」
もうムリだ、わたし……。
恥ずかしくて社長の顔が見れない……。