組対のデカ
 ホテルに遺棄されていた遺体は運転免許証から、目黒区に在住していた会社社長の小波一雄のものだと断定できていた。


 事件当日、小波は会社の顧客とホテル内で会っていて、ホテルフロントのホテルマンの証言も取れている。


 小波は殺害された場所であるホテル十一階の部屋のキーを持ち、コンシェルジュの案内で部屋へと向かっていた。


 小波殺害の実行犯が相手の客だったとすると、会合に便乗した形で闇に葬られた可能性が極めて高い。


 継続捜査班のデカたちもその点はしっかりと把握し、追い続けているのだった。


 事件発生から七年が経ち、犯人は未だ捕まっておらず、継続捜査担当の特命捜査二係のデカたちも鋭意捜査中だ。


 俺たち組対も気を揉んでいた。


 早く犯人が捕まればいいのに、と思いながら……。


 警視庁鑑識課の人間たちがホテル各所の防犯カメラの映像をチェックし、犯行時間帯に誰があの部屋に出入りしたのか、確認済みだった。


 岩佐悦朗という大塚会の構成員で、北川嘉美とは同じ水を飲んでいる。
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