組対のデカ
　今回の一連の事件に、大口がターゲットに据えた民自党の柳、河村組組長の鐘ヶ江、そして大塚会の山本が絡んでいるとしたら、三者は三様に利益を得ていることになるのだ。


　柳が命令を出し、鐘ヶ江や山本が組所属の構成員たちを使って、悪事を仕出かしているとすれば辻褄が合う。


　政治家とヤクザは癒着が絶えない。


　きっとそういった形で手を結んでいるのだろう。


　汚いのだが、これを捜査するのは検察や警視庁組対四課のデカなどだった。


　俺たち組対でも五課は押収した物品を調べ上げる。


　銃とクスリが主だった。


　やはり日本で得られた資金は向こうの国へと行っているのだろう。


　俺たち警察は人を疑うのが仕事である。


　それにしても警視庁担当の監察官の荒井が、主だった所属警官から監察官聴取を行なったことは意外だった。


　おまけに公安第三課長の丸岡との関係まで訊かれるとは。
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