組対のデカ
 右翼は一際過激である。


 関係者じゃないと分からない。


 もちろん同じ公安でも公安第一課や公安第二課のように主に左翼担当の部署もあったのだし、外事などは海外にまで乗り込んでいくぐらい、精力的な人間たちが大勢いた。


 未だに覚えている。


 公安にいた時代のことや、所属していたデカたちのことを。


 そして公安という組織が裏で動くものであることも。


 警察でもずっと裏方にいれば、案外内部で還流する情報は掴みやすいのだ。


 ずっと踏ん張っていた。


 確かに表舞台で華々しく活躍する一課や二課などの人間たちとは違っていたにしても。


 新年度がスタートし、警視庁内は異動などもあってデカたちが動き続けていた。


 この季節は警察にとって慌しい。


 人事があるからだ。
< 13 / 259 >

この作品をシェア

pagetop