組対のデカ
 俺たち組対五課は警察でも裏方で、相変わらず物品の点検に追われていた。

 
 北へと行く船にこれだけの積荷があったとすれば、一際危険だと踏むのが常識だろう。


 警察だってバカじゃない。


 検察も柳の立件に関して絶えず動き続けているし、出る幕はいくらでもあった。


 六月半ば過ぎに、一課の特別チームは都内でも重点区域を捜索し始める。


 俺たち組対も気になっていることがあった。


 今回の一連の事件に関与している人間たちが複数いるのだが、一体誰が仕組んでいるのか……?


 キーパーソンは柳、鐘ヶ江、山本の三名だったが、どうやらこの三者にガードが固い人間が絡んでいる可能性が高い。


 それは一体誰なのか……?


 現に捜査情報がどこかから漏れているものと思われた。


 一課の関係者がGPSを使い、北川の行方を追っていると、意外なところに行き着く。


 そう、ヤツは東京高等検察庁、いわゆる東京高検近辺のビルに潜伏していたのである。
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