組対のデカ
第24章
     24
 与野党間での合意で国会の延長が決まり、柳逮捕は先送りとなった。


 だが検察も容赦するつもりはないらしい。


 身内に裏切り者を抱え込んでいるにしても。


 実際、検察庁から一部の捜査情報が漏洩していた。


 入院中の検事の大口も、ウソを付いているのかもしれない。


 特捜は全力で柳を追っていたが、この件が全くの白紙に戻る可能性が高い。


 検察内部に裏切り者がいて、長谷川を転落死に見せかけて殺害した真犯人と思われる北川を庇い立てしているということだ。


 あの事件解決において、精鋭集団で通っている人間たちの中に、組織を売った人間がいるものと思われる。


 検察上層部の人間たちもこういった事態はすでに想定していたものと考えられた。


 確かに北川の居場所を示すGPSは東京高検近辺のビルで点滅し続けている。


 一課の特別チームも速水班や越沼班も動き出していたが、警察は一体どういった捜査方針を取るつもりなのだろうか……?
< 138 / 259 >

この作品をシェア

pagetop