組対のデカ
 警察官にとって人事は半ば命と言える。


 それほど、どこに配属されるかが重要なのだった。


 新しい年度からも、引き続き組対五課に配属されている。


 慣れっこになってしまっていた。


 地味な警官をやることに。


 いつもスーツじゃなくて、私服で動き回っている。


 それだけフットワークが軽いのだ。


 さすがに今回歌舞伎町で河村組と三嶋興業関係者を摘発したことは大きかったが……。


 上からは指示が飛んでいる。


 組対五課長の倉田は徹底して取調べを行なうよう、しっかりと指令を出してきた。


 俺たち捜査員もそれに従うしかない。


 ずっと町岡が黙り込んでいたので、飯田が代わりに取調べを進めている。


 町岡は河村組の構成員として、組の雑用をやっているようだった。
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