組対のデカ
 六月も下旬が近まると、梅雨空にも時折晴れ間が戻ってくる。


 それにしても仮に折原が調べ上げた通り、検察内には組織を裏切った検事がいるのか……?


 おまけに病床から発していた大口の言ったことは全て真っ赤なウソだったのか……?


 気になるのだが、仕方ない。


 柳を逮捕するまでに時間が出来たので、検察も汚職事件の全容を解明して、国会が閉会する九月上旬に逮捕に踏み切るつもりでいた。


 それにしても、長谷川を殺害した疑いが現時点で一番濃厚な北川が、東京高検付近で発見されたことには意味がある。


 GPSは機器とあってか、人間の頭脳に負けず劣らず正確だ。


 そしてその機器が指し示しているのが、北川の居場所である。


 今、組対四課は河村組や大塚会の人間たちを追い続けていた。


 暴力団対策とあってか、全員拳銃を携帯して。


 引き続き、速水や越沼は長谷川転落死の事件を追う。
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