組対のデカ
 もちろん銃器は持っていた。


 警視庁内で組対四課がヤクザを追うのと同じく、捜査一課は殺しの線で北川を追っていたのである。


 仮に大口が入院先からウソの指令を出しているとすれば、今回の事件には検察の裏が隠されていることになるのだ。


 そして警視庁宛にフラッシュメモリが一本、封筒に入れられて送られてきた。


 データが詰まっているようなので、すぐに職員がパソコンのUSB差込口に差し込み、中身を閲覧する。


 あっと驚く情報が入っていた。


 それはまさに政財界や官界、法曹界、それにマスコミなどの裏を暴くデータだったのである。


 これを入手すれば、命を狙われる危険性すらあった。


 警察としても、この国家を揺るがすフラッシュメモリを奪いに来る人間がきっといると踏んでいる。


 まさに危ない代物なのだった。


 もちろん複数のフラッシュメモリにコピーして、保存しておいたのだが……。
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