組対のデカ
へと落下したようである。


 最初は警察関係者も単なる自殺として処理するつもりでいたのだが、一課の人間たちは殺しの線も考えられるとして、捜査が行なわれることになった。


 長谷川の死が、組対の執り行なった歌舞伎町での関係者の摘発及び物品の押収と無関係だと断じている刑事がほとんどだ。


 そして警察は長谷川の死に不審を感じ始める。


 なぜ自殺するのにわざわざ高いビルから飛び降りる必要があったのか、だった。


 ワープロ打ちの遺書も謎である。


 遺書ぐらい手書きで書くのが普通なのに。


 一課の動きを俺たち組対もじっくりと見ていた。


 一体一課の人間たちがどんな捜査をし始めるか、脇からじっと見続ける。


 それに逮捕した町岡たち六名の被疑者が口を割らないと、調べが進まない。


 気を付けていた。


 仮に長谷川が何者かにより殺された後、転落死に見せかけられた可能性もあるからだ。
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