組対のデカ
 俺も五課長職にある倉田が言ってくるのをずっと待ち続ける。


 事件の全貌が段々と浮上し、くっきりと浮かび上がるのは間違いなかったので……。


 その日、外はやけに蒸し暑かった。


 持っていたオートの中に詰まっている埃など除去し、銃の底部から弾丸を装填する。


 そして装填後、身に付け、庁の地下にある射撃訓練場へと向かった。


 サングラスを嵌めて銃を正眼に構え、引き金を引く。


 パーンという乾いた音が数発鳴り、全ての弾丸が五十メートルほど先にある的の中央部に当たった。


 サングラスを取ると、辺りに火薬残渣が残っている。


 火薬のにおいはあまりいいものじゃない。


 軽く息をつき、またサングラスを嵌めて撃とうとしたとき、意外な人物が現れた。


 そう、捜査一課の速水だ。


「安藤警部補、お疲れ様です」
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