組対のデカ
「ああ、君か。……何か用?」
「いえ。ただ組対部の警官が射撃訓練場にいるというのは珍しい気がしてまして」
「君は警察学校で射撃訓練の成績はよかった?」
「ええ。大概外しませんでした。放った弾丸はほとんど的の中央に当たってましたし」
「さすがに現役の捜査一課のデカだな。配属先が一課になったのも頷ける」
「安藤警部補、倉田五課長が何か仰ってませんでした?今回の長谷川元警部補の転落死事件と河村組、大塚会の引き起こした事件に関して」
「うん。一応、五課長としても順次出動要請を掛けるつもりでいるよな。俺たち組対部も手探り状態だけど。……君は長谷川元警部補の転落死事件を追ってるんだろ?そっちの方に専念しなくていいの?」
「はい。ただ難しいんですよ。確かにビル屋上に置いてあったワープロ打ちの遺書には大塚会の構成員の北川の指紋と、河村組組長である鐘ヶ江勇次郎の愛人の篠原優子の指紋が検出されました。鑑識の指紋認証システムにより、登録されていた前歴者リストに載っていた篠原の指紋が、遺書のそれと一致しています。北川と篠原の共同正犯は成立するのですが、なぜ長谷川元警部補を殺害せざるを得なかったか、疑問が残るんですよ」
「簡単だな。河村組と大塚会の人間たちが裏で手を組んで、警察の現役もしくは退職したマル暴を標的にするってことだろ?」
「いえ。ただ組対部の警官が射撃訓練場にいるというのは珍しい気がしてまして」
「君は警察学校で射撃訓練の成績はよかった?」
「ええ。大概外しませんでした。放った弾丸はほとんど的の中央に当たってましたし」
「さすがに現役の捜査一課のデカだな。配属先が一課になったのも頷ける」
「安藤警部補、倉田五課長が何か仰ってませんでした?今回の長谷川元警部補の転落死事件と河村組、大塚会の引き起こした事件に関して」
「うん。一応、五課長としても順次出動要請を掛けるつもりでいるよな。俺たち組対部も手探り状態だけど。……君は長谷川元警部補の転落死事件を追ってるんだろ?そっちの方に専念しなくていいの?」
「はい。ただ難しいんですよ。確かにビル屋上に置いてあったワープロ打ちの遺書には大塚会の構成員の北川の指紋と、河村組組長である鐘ヶ江勇次郎の愛人の篠原優子の指紋が検出されました。鑑識の指紋認証システムにより、登録されていた前歴者リストに載っていた篠原の指紋が、遺書のそれと一致しています。北川と篠原の共同正犯は成立するのですが、なぜ長谷川元警部補を殺害せざるを得なかったか、疑問が残るんですよ」
「簡単だな。河村組と大塚会の人間たちが裏で手を組んで、警察の現役もしくは退職したマル暴を標的にするってことだろ?」