組対のデカ
 俺も一課の連中が真犯人を推測できてないことに気付く。


 帳場で指を銜えて見ているだけじゃ済まないと思った北山院たちが、新たな捜査部隊を作って動き始めたのは想定外だった。


 おそらく事件の影響が拡散しないよう、必死になっているのである。


 俺も気掛かりだった。


 検事である大口が何かを知っているということも視野に入れていて。


 ずっと河村組や大塚会関係者を、警察職員専用のIDとパスワードを使って閲覧できるサイトにおいて洗い出していた。


 その中には鐘ヶ江や愛人の篠原、それに酒見など河村組関係者、そして大塚会のヤクザである北川の名前も入っている。


 長谷川は大塚会構成員の北川の弱みを握っていたことがすでに判明しているのだし、それがためにビル屋上から突き落とされた可能性が濃い。


 大塚会大阪支部に五年前の七月、大阪府警捜査四課の捜査員がガサ入れした事実があった。


 これも判明済みである。
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