組対のデカ
り始めている。


 俺も北山院がとうとう痺れを切らしたことは暗に分かっているのだった。


 これでは西新宿署に設けられた帳場は成り立たないだろう。


 誰が見ても分かる。


 帳場が立ち消えになる可能性すらあった。


 捜査員がバラバラなので。


 それに俺たち組対部はもっときつくなりそうだった。


 その折、警視庁公安部外事第二課の職員は動いてくれた。


 現時点で東京湾に停泊中の船舶からは銃器や薬物などは見つかってないらしい。


 俺も一安心している。


 だが油断はならなかった。


 何か途轍もなく恐ろしい真相が裏側にあると思えて。


 俺自身、気に掛かることはいくらでもある。
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