組対のデカ
　俺もそのときを狙っているのだった。


　確かに公安のデカだった過去があるというのは、とても大きなことだったが……。


　それに俺も組対部にいてパソコンなどを使い、順次調べを進めていた。


　今回の事件のあらましを。


　そして背後に隠された機密なども。


　全ての事件の発端は警視庁に送られてきたあのフラッシュメモリだと思われる。


　ずっと考え続けていた。


　いずれ大口からも話を聞くことがあると思うし、特捜が柳たち不正を行なった民自党の
国会議員数名を今国会の会期末を狙って逮捕することも。


　速水が抜け駆けで、入院中の大口のところに行ったのはすぐにバレた。


　警視庁中の噂になる。


　現役の捜査一課のデカが、入院している検事のところに話を聞きにいくことは現実的に考えられないのだから……。


　それに検察としても速水の行動を解せないと思うところがあったらしい。
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表紙・目次

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