組対のデカ
第33章
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「組対が動き始めたぞ。俺たちも出動だ」


「ですが、警視、今の状態で戦えるのですか?」


「ああ、大丈夫だ。俺たち特別捜査部隊には警視庁の兵たちが集まってる。絶対負けない」


「相手は河村組と大塚会ですよ。適うのですか?」


「何度言ったら分かる?俺たちは一課の中でも特別に編成した精鋭部隊だ。組対が先に出動してて、出遅れてしまった以上、ちゃんとした捜査を執り行なう。ここで何もしないで指を銜えて見てるわけには行かない」


「分かりました。……ですが、警視、この特別捜査部隊は組対よりも動員人数が少ないんです。大丈夫ですか?」


「ああ。俺は今の状況をしっかり把握できてる。君も落ち着きなさい」


 北山院が西新宿署の帳場にいた部下で警部の猪原にそう言った。


 帳場の表に掛けてあった看板が取り外され、北山院率いる特別捜査部隊が終結し、動き始める。


「今から河村組・大塚会双方の事務所にガサ入れして、構成員及び準構成員たちを一斉検挙する。焦るな。最悪でも組対がカバーしてくれる。俺たちは一課のメンツを守るため、
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