組対のデカ
　俺も凶悪犯たちを処分したことで清々していた。


　警部補で一主任の身だが、部下たちは今回北山院たちの特別捜査部隊や組対四課と一緒に活動できたことを何よりも喜んでいる。


　だが最後にすべきなのは、おそらく全ての事実関係を知っていると思われる大口検事から事情を聞くことだ。


　そこまで出来て、初めて事件が解決するものと踏んでいた。


　あの東京高検近辺のビルでの大塚会の北川の潜伏も、一課のデカたちがＧＰＳを使って探り当てている。


　実に意外なところなのだったが、これが事件の真相だ。


　東京高検近辺のビルに北川がいたことは検察官が犯人を隠匿したことに他ならない。


　検察庁内部から一部の捜査情報が漏洩していたことは容易に察せられた。


　つまり大口も関係しているということである。


　地検では特捜部にいて、柳たち民自党の人間の汚職を追っている身でありながら……。


　そしてあえて長谷川を処分せざるを得なかったことも……。
< 206 / 259 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop