組対のデカ
第36章
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 東京高検検事の鈴木が、大口の持っていたノートパソコンを証拠品として押収した。


 結局、長谷川の転落死事件が特捜部の主任である大口によって引き起こされたのは紛れもない事実だったのである。


 俺も警視庁組対部の一員として、一連の事件の捜査を見続けてきたが、現役の検察官が事件を引き起こしたことを認めざるを得ないと思っていた。


 大口に対する取調べはこの病院の個室内にて執り行なわれる。


 容疑者が腎臓病の治療を受けていたので。


 嫌疑が掛かっているとはいえ、病人は病人だ。


 病院施設から出すわけには行かない。


 柳たち民自党の議員の機密が入ったマシーンを、今大口が持っているのは確かなのである。


 ノートパソコンにデータが詰まっているはずだ。


 柳は旧建設省在籍時から省内の利権の全てを握り、それをバックボーンとして政界へと進出してきたのである。
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