組対のデカ
「ええ。……それが何か?」


「君も一度大口検事と会って欲しい。俺たち組対は裏方だが、裏方なら裏方でそれなりのやり方があるだろ?」


「まあ、そうですね。私も手を尽くすつもりです」


 俺の一言に倉田が安堵したようで、


「ちゃんとやってくれよ。俺たち組対部の明暗が掛かってからな」


 と言い、手元に置いてあったコーヒーのカップに口を付け、飲む。


「……柳や汚職に関係してた側近議員たちの逮捕は九月上旬だな。国会閉会前にワッパが掛かる。もちろん特捜の仕事だがな」


 倉田がカップを置き、呟いた。


「ご用件は大口検事とお会いすることだけですね?」


「ああ、ちゃんとやってくれよ。俺も今回の事件に関しても事が事だったけど、部下たちが動いてくれたことで気持ちが落ち着いたのが本音だし」


「分かりました。大口検事の件はちゃんとやりますので」
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