組対のデカ
 一礼し、自分のデスクへと歩き始める。


 さすがに夏場とあって、疲れが溜まっていた。


 俺も生身の人間だ。


 何かがあれば動揺するのは当たり前である。


 そんな当たり前のことが刑事には日々続く。


 俺たちは何も刑事ドラマに出てくるようなデカじゃない。


 単に警察職員として、勤務し続けるだけだ。


 俺も動くつもりでいた。


 大口は逮捕されたことで検事職を奪われたのだが、切れ者だ。


 残念ながら、ほとんど会ったことがない。


 一体どんな人間なのだろう……?


 そう思っていた。


 日々落ち着かなかったが、現役の刑事である以上仕方ない。
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