組対のデカ
 そう返し、勧められたソファーに腰掛ける。


 公安部の女性職員がお茶を淹れて差し出す。


「ああ、すみません」


 一言言って茶碗を手に取り、口を付けた。


 そして茶托に置き、言う。


「丸岡さん、久々ですね。お元気でした?」


「ああ。……刑事部も組対部も今回の河村組と大塚会への捜査でしっかりやったらしいじゃないか?」


「ええ。我々も捜査には手を尽くしました。事件が複雑でしたから」


「まあ、積もる話もあるだろうからゆっくりしていけ」


「残念ですが、倉田五課長がすぐに戻るようにと」


「そうか。……ところであの高検の検事から捕まった、大口って地検の検事は一体何者なんだ?」


「気になってました?」
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