組対のデカ
「ああ。……だけどな、速水。すでに東京高検の鈴木検事たちが、腎臓病の治療で入院中の大口検事を取り調べてる。闇はいずれ暴かれると思う。俺も高検の検事たちがどれだけ特捜のチーフを調べられるか、戦慄みたいなものを覚えてるんだ」


「そんなにドキドキするんですか?」」


「うん。個人的に鈴木検事や堂本副検事が大口を調べれば、ボロがいっぱい出てくると思う。さすがに検察がでっち上げなどをしたりすれば問題になると思うんだけど、今は大口から事情を聞き出すのが高検の検事たちの一番の任務だろうな」


「まあ、鈴木検事も堂本副検事もしっかりしておられますしね。我々警察としては様子を見ましょう」


「ああ。俺も検事と会ったりすると、気を遣うことだらけだけどな」


「越沼警部、大丈夫です。まだ大口検事の口から聞かれる言葉がありますし、大口さんは民自党政調会長の柳龍二や側近議員たちを追ってました。いずれ来月上旬の国会閉会後、数人の民自党議員が逮捕されますから」


 旧建設省から政治家へと転身した柳が逮捕されることで、族議員の政治と金の問題が急浮上してくることは間違いないだろう。


 官僚時代から全ての利権は柳の手の中にあった。


 ヤツや側近たちに手錠が掛かることで、現在の国土交通省の事務・政務双方の大掃除が
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