組対のデカ
 テレビには脂汗が浮いた柳が大写しにされ、<柳龍二民自党政調会長を逮捕>とテロップが出ている。


 俺もその逮捕劇の様子を見ながら、これで全てが終わったなと思っていた。


 九月になっても残暑が続くのだが、八月より増しになっている。

 
 でかい事件が一つ片付いた以上、安堵していた。


 これから先は検察の仕事だと思い。


 多分、地検の人間たちは押収品を調べるだろう。


 そして高検の検事たちも出てきた。


 大口は腎臓病の治療を受けながらも、裁判には出廷するつもりでいるようだ。


 凄いと思った。


 やっぱ検事はあくが強いんだなと感じていて。


 九月の少し涼しい季節、警視庁組対部は公安部と協力し、また東京湾に停泊中の船舶の積荷検査へと向かう。


 俺も参加していた。
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