組対のデカ
　俺自身、警察内部の機構や情報などを表から裏まで知り尽くしているのだ。


　公安時代からずっとそういった連中を相手し続けてきた。


　警視庁公安部にいたときは右翼担当の公安第三課にいて、その手の人間たちを相手していたのを覚えている。

　
　当時の三課長で上司の片桐恭司が俺に命令していたことは数知れない。


　俺も公安警察の一員として、片桐から命令されたことはやり抜いていた。


　右翼は暴力団との繋がりが深い。


　マル暴ともしょっちゅう付き合っていた。


　もちろん転落死した長谷川とも面識がある。


　未だに同じ桜田門の警視庁本部にいて、片桐がすでに退職したとはいえ、後任の三課長である丸岡純梧とは何度も会ったことがあった。


　丸岡は普段ずっとデスクに座っているが、捜査情報を一課や俺たち組対に流すことがある。


　都合のいい情報屋をやっているのだった。
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表紙・目次

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