組対のデカ
 消されることだってある。


 西新宿署の帳場ではすでに速水班と越沼班が管理官の北山院の指令の元、動き出していた。


 速水は女性刑事らしく、勘や大胆な発想に拘る捜査をするが、越沼は事実関係を徹底して調べ上げ、捜査を進める。


 同じデカでもタイプがまるで違う。


 だがそれが返って、管理官である北山院には都合がいいらしい。


 二つの班を競争させることで、捜査が着実且つ迅速に進むと考えられたからだ。


 俺たち組対はずっと見続けていた。


 どちらの班にも何かしら欠点があると思いながら、である。


 確かに地に足が付いているのは、越沼班の捜査員の方だったが……。


 速水が早とちりして、失敗しなければいいなとも思っていたのだし……。

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